綺麗な河川に住む世界最大級の両生類。
約3000万年前 からその形態を変えずに生き抜いているといわれ、
「生きた化石」と呼ばれている。
国の特別天然記念物にも指定されている。
基本情報
有尾目オオサンショウウオ科オオサンショウウオ属。
愛知県以西を流れる河川の中・上流域に生息する。
日本列島南西部(岐阜県以西の本州、四国、九州の一部)における固有種。
オオサンショウウオは魚ではなく、カエルやイモリの仲間です。
水中で生活していますが、幼生時のみエラ呼吸で、大人になってからは肺呼吸と皮膚呼吸をおこなう。
最大で全長150センチメートルにまで育つ。
野生個体では全長100センチメートルに達することは極めて稀で、一般には全長50センチメートルから70センチメートル程度。
主に標高400メートルから600メートルにある河川の上流域に生息する。
しかし、河川の中流や下流でも見られることがあり、市街地近くや水田の水路に生息していたことも観察されている。
動かざること岩のごとし!
オオサンショウウオが、エサを探して動きまわることはない。
水族館などで見たことがある人はご存知かもしれないが、
オオサンショウウオは夜行性なので、昼間は基本的に岩の間に隠れてじっとしている。
一日あたりの食事量は体重の0.1%ほどと、かなりの少食だ。
お腹がすいた時は、目の前を通った魚やカニ、水生生物からヘビやネズミまで大きな口で、ぱくりと食べる。
豊かな自然の象徴。キレイな川のヌシ!
川の中では、食物連鎖の頂点に位置する生物であるオオサンショウウオ。
オオサンショウウオが生息していることは、豊かな自然環境が保たれている証拠にもなる。
生きた化石!特別天然記念物!
現在のオオサンショウウオとほぼ同じ姿をした化石が約3000万年前の地層から見つかっていることもあり、
生きた化石と呼ばれている。
特別天然記念物というのは、彫刻や建造物でいうところの「国宝」に相当する。
天然記念物の中でも「世界的または国家的に、価値が特に高いもの」が特別天然記念物に指定されている。
貴重な文化財なので許可なく捕まえたりすることはできない。
野生のオオサンショウウオを見つけたら、持って帰ったりせず、地域の問い合わせ窓口に連絡しよう!
おはなし
本日のゲストは、ステゴハウスにやってきた初の両生類。
オオサンショウウオさんです!
どうも、よろしくね。
ステゴハウスへようこそ!
よろしくお願いします。
おしながき
- 綺麗な川のヌシ!
- 特別天然記念物について感じていること
- 生きた化石の目にうつるもの
- おわかれのお時間
- まとめ
綺麗な川のヌシ!
両生類最大のオオサンショウウオさんは、
川の中での食物連鎖の頂点に位置しているようです。
ワシらを脅かす存在ってのは、あまり見たことがない。
頂点だからといって、チヤホヤされるものでもないと思うが。
やはり大物感がすごく伝わってきます。
オオサンショウウオさんがいると自然が豊かな川だと思っていただけるそうですよ!
そうかい。
ワシは他の生物に、なんと思われようが一向に構わんよ。
他の生物にはあまり興味はありませんか?
学ぶことは多くあるが、
わざわざ他の者達に興味を持つ必要はないと思っとるよ。
そんなにあれこれ考えてたら、腹も減るじゃろう。
必死で飯を探しにいくような、みっともないマネはしたくないんでな。
動かざること……ですね。
そう。
ワシらは待っておればいいんじゃよ。
ご自身をしっかり理解された上での、
理にかなった考え方なんですね。
そんな大したもんでもない。
ただそうしてるのが一番自然でラクってだけよ。
かっこいい~
特別天然記念物について感じていること
ただの天然記念物というだけでなく、特別天然記念物と。
やはり先程のテーマ同様、特別扱いされても気にはならないでしょうか?
嬉しいね。
え?そうなんですか?
さっき他の生物になんと思われようがって仰って……
ん?あぁ、そうか。
なんと思われてようが、別になんとも思わんよ。
本当ですか?
まあ。
ちょっと嬉しい。
嬉しいんじゃないですか!
結構どう思われてるか気にしてるじゃないですか!
いやいや、気にはしておらんよ。
しかし、そうやってワシらのことを守ってくれようとしたり、
愛してくれようと多くの人が思ってくれるのは、やっぱり嬉しいもんよ。
……そういう話に持っていかれると、これ以上強く言えないですね。
ワシらに対して、手厚い保護活動をしてくれてるのは、
やっぱり見てて伝わってくるもんでな。
ワシらにとって過ごしやすい、生きやすい環境を作ってくれるのは助かっとるよ。
そうですか。
なんだか、じーんときますね。
各々が特別な存在であるってことはワシの経験上、間違いないと思っている。
ワシらが食うような魚たちにも家族はおるし、あいつらにしか感じれんものもある。
ひとつの命を繋ぐために、多くの命を食らって生きとるからな。
それはワシら以外にも言えることじゃと思うよ。
優しいんですね。
あまりご飯を食べないのも、そういう考えがあるからなのかもしれませんね。
それは違う。
ワシは、じっとしてるのが好きじゃから。
難しい~
生きた化石の目にうつるもの
オオサンショウウオさんはかなりご長寿みたいで、
なんと長ければ100年くらいは生きるといわれているそうです!
長生きはしたくないね。
あれ?
そうなんですか?
色んな生き物を食らって、じっと川の流れを見続ける生活に、
100年は長すぎる。
……。
確かにそうかもしれませんね。
ワシは50年ほど生きたが、それでも長かったと思える。
遥か昔から、ずっと同じ景色を見ているような気がしてな。
オオサンショウウオさんは、
約3000万年前もの地層から、現在とほぼ同じ姿の化石が見つかっているようです。
ほとんど姿かたちを変えずに生きていることから「生きた化石」とも呼ばれています。
そうじゃったんか。
そんな気もする訳だ。
代わり映えしない景色を見続けるのも、つらいものなんですね。
ただワシらの目はほとんど退化してて、全然見えとらんのじゃけどな。
えぇ……
じゃあ今の話は、ちょっとよく分からなくなってきますね。
ほとんど見えん代わりに鼻は効くから、生きるのに支障はないよ。
ほんとだ。
可愛いおめめ。
それに別に普通に泳げますよね?
泳げるし、結構移動することもある。
じゃあさっきまでの、話って一体……
おわかれのお時間
そろそろ、おわかれのお時間です。
本日はありがとうございました!
ありがとうね。
最後に何かメッセージがあればお願いします!
自分に合った生き方をするのが一番自然じゃと思うよ。
性格も容姿も体型も、好きなものも得意不得意も、
それぞれ違っとるんやからね。
どちらにせよ、生きる以上、誰かに迷惑かけるんじゃから。
まとめ
特別天然記念物の生きた化石こと、オオサンショウウオは達観していて、掴みどころがなかった。
優しいのか何も考えていないのか、結局よく分からなかったが、そんな気楽さがちょうどいいのかもしれない。
生きた化石は、今日も岩の影からじっと流れる景色を見つめている。